今日いるの~?

お店の電話から聞こえる声

時々お持ち込みいただくお客さんの声だった。

例のやつ持っていくね~

そんな会話で電話を切りました。

前々からお話しをいただいていた、ターンテーブルのお持ち込みを今からお持ち込みいただけるとのことでした。

こちらのお客さんは自分の親ぐらいの年齢の女性で、いつも原付に大量の荷物を積んでお持ち込みしていただいております。

これで積んできたんですか~?
と何度か言ったことがあるくらいびっくりする量のお荷物をお持ち込みいただいております。

お持込みいただくお荷物が男性物や女性物、家庭用品、、、多岐にわたるいろいろなお品物があったので、家族の不用品をお持ち込みいただいているのは予想が付いておりました。

お持込みいただいたお荷物でその方の生活や好きな物を垣間見ることが出来ます。

以前たくさんのレコードをお持ち込みいただいたことがありました。

その内容が自分の高校生の頃すごく興奮して聞いていたレコードがたくさんあって、

すごく良いレコード多いですね~

そんな話をしていると、どうやらちょうど自分と同じくらいの息子が昔聞いてたやつで

なんかあのDJ?みたいのやって遊んでたのよ~

まだたくさんあるから今度持っていくね、
あとレコード聞く機械もあって邪魔なのよ~

そんな話を伺いました。

これは他人事ではないなと勝手に親近感を抱いておりました。

その後来る度に

あのレコード聞く機械今度持って行くね、

そんなやりとりが何度か続き、

本日ついにその日が来ました。

何度かチャレンジしようとして、、断念、、かどうかは分かりませんが

さすがにいつもの原付ではなく息子さんのお車でお持ち込みいただきました。

(おそらく仮に原付に積むことが出来たらもっと早くお持ち込みいただいていたかもしれません…)

お持ち込みいただいたのは定番のテクニクスのターンテーブルSL1200MK3

SL1200シリーズは世界標準のターンテーブルで、

ターンテーブルといったらSL1200

クラブやバーで見るやつは全部と言ってもいいほどSL1200シリーズであると思います。

家の地下室にこれ置いてあってね邪魔でね、、

今度この地下室を筋トレ部屋にするから片付けたいの、、

昔はねこの地下室に息子が友達10人くらい呼んでよく遊んでたのよね。

そんな話を伺いました。

ヤニで汚れたターンテーブル、、、

スリップマットの下にレコ屋の袋で作ったお手製スリップシート、、、

その時夢中になった瞬間や空間が一瞬で蘇ります。

自分と同じような時代を過ごした”モノ”だからこそ余計にそれを感じました。

地下室で次のパーティの開催を楽しみに待っていたよ。

そんな声は聞こえませんが、

次のパーティに向けて出来るだけキレイにして、

また誰かを楽しい気分にさせてあげてほしいです。

お持ち込みいただきありがとうございました。

追記【90年代後半のレコード屋さんの思い出】

90年代後半はインターネットの情報が無く(わからなくて)

雑誌に載ってる小さな記事や

その当時だとラジオの情報などを頼りにしておりました。

新譜とかレコ屋に行くと、ジャケがないプロモ版にこれはマスト!とか書いてあって、

視聴せず買うっしょ、みたいな感じでしたね。

家に帰って聞くと、

これはマストなのか…なんて思ったりもしましたが、

聞いてるうちにマストになっていき、今でもその当時の音楽は宝物です。

渋谷のレコード屋さんは無数にあって、界隈を歩けばみんなレコ屋の袋を持って歩いておりましたね。

その当時の高校生あるあるをひとつ言わしてもらうと、

体操服をレコ屋の袋に入れて持ちがちでしたね。

かばんとかも都立生なのに私立の純正バッグ持ったり(雑誌で特集とかもされてたんじゃないか)

今思うと変な時代だったなと思います。

90年代後半から2000年初頭はちょうどアナログからデジタルの変換期でした。

まだ当然スマフォもなく、パソコンもみんな持っていないような時代でした。

レコ屋から届く紙の資料の通信販売でレコードを購入したりしてたのが、ホームページで視聴できて買うことができたり、

好きな曲をカセットではなく、CDに焼けたりして、

CDに焼けることに興奮して、友達と

好きなアーティストの3枚組のベスト盤を勝手に作って遊んだりしました。

みんながパソコンを持つようになりました。

それから目まぐるしく変化していき、今はCDを買いませんという流れにもなってきて、

そうなるとまたレコードやアナログが評価されたり、

レコードは楽器である。

先日どこかのラジオでどなたかが仰っているのを聞きました。

溝を掘ってその時に出る音を大きくして出す

信号ではなく物が出す音。

情報が多くなればなるほど感動が薄くなっていくのだとしたら、

あの90年代後半の情報が少ない時代に感じたことはとても有意義な経験だったと思います。

20年前に思いを馳せながら、

20年後から今をみたらどう感じるのでしょうかね?

楽しみです。

めだま家はリサイクル、リユースを通じてこれからも人やモノの流れを見届けていきたいと思います。